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武井動物病院 田中 啓之院長にインタビュー

飼うと決めたからには「責任を持つ」ということですね!


どういう経緯で武井動物病院を継ぐことになったのですか?

武井先生も事業を継承する人を探していて。
私も5年程前から医院を立てるつもりでおりました。
動物病院を開業するには、「新規開業」と「事業承継」という2つのパターンがあります。
私は事業承継で探していました。
もともとしっかりした病院があって、地域の方々にも信頼されているという状況を、私が継がないとそこが無くなってしまう。
無くなるのは地域の大きな損失なのかなぁと思っていて。
それで、武井先生とご縁あってお話をしてという経緯なんです。

そうなんですね。先生のご出身は関東なんですか?

いいえ!
出身は岡山県で、大学は鳥取です。
勤務医として働いていたのは横浜です。
国立市ははじめて訪れた時に、文教地区ということもあって美しい街だと感じました。



国立は一軒家が多いですね。やはり動物を飼っている人は多いのですか?

一軒家が多いので大型犬を飼っている方も多いように思われます。
みなさん動物を大切にされていて動物との暮らしを楽しんでいらっしゃいます。

ペットをはじめて飼う方は不安もあり、なかなか踏み切れないといった現状もあるのですが、どう思われますか。

動物病院では、飼い主さんの生活環境に合わせてアドバイスすることができると思います。
保護どうぶつの場合は、子犬からシニアまでいますし選択の幅が広がりますよね。

それこそ「飼う前」に動物病院に相談してくださるといいですよね。

そうなんですよ。
動物病院へは飼う前に相談に来て頂いていいんです!
今度犬を飼いたいと思っているけど、うちにはどんな犬種が合っていますか?でもいいんです。
小さな心配事でも遠慮せずに言っていただければ力になれるかもしれません!
動物病院は病気を治すだけの場所と思われがちですが、飼い主さんと動物の生活をトータルでサポートする場所なんです。

いつも来てくれる患者さん以外にも知ってもらいたい事ですね!

そうなんです。
病院の前を通る人に向けて「気軽に入って来てください!」と看板に書いて置いていたこともありました。
風で吹き飛んじゃいましたけど(笑)
これからは「はじめて動物を飼う方」も積極的に支援していきたいと思っています。

譲渡会とか保護犬猫イベントでも出来たらいいですね。

そうなんですよ!
譲渡会もしてもらいたいです。
病院の敷地を保護団体さんに使っていただきたいですね!
1匹でも多くの動物と飼い主さんのご縁をつなぐお手伝いをさせて頂きたいです。



病院のお休みはいつですか?

年中無休でやっています。
人間と同じで動物もいつ病気になるかわかりませんので。

そんな忙しくて余暇なんておありですか?

受け継いでからは8ヵ月ですが完全に丸1日の休みはないですね。

ちょっとでも時間が出来たら何をしていますか?

今はフットサルぐらいですね。
小学校ではサッカー、高校でラグビー、大学ではフットサルをしていました。
社会人のクラブとか入っていました。
今は個人で参加できるものもあるんですよ。
一人で行って、即席メンバーで参加出来るというものもあって。
ルミネの屋上とかにあります。
今は体力が続かなくなっていますけど。。(笑)

もともとは動物が好きで?

そうですね。
ただ初めは犬猫などの動物ではなく、昆虫が大好きでした!
蝶やカミキリムシ、カブトムシ、クワガタムシとか。
捕まえてきては飼っていましたね。
図鑑を見るのも大好きで。
もう忘れちゃいましたけど当時は暗記するぐらい見てましたしね(笑)
昆虫博士になる!なんて本気で思ったりしていましたその頃は。
外で遊ぶことがとにかく大好きでした。

いつごろから昆虫以外にも興味を持つようになったのですか?

犬を飼い始めた中学生の時です。
母親の同僚の家で生まれたビーグルの仔犬をもらってきたんです。
犬ってこんなに可愛いんだぁ~ってそのあたりから犬が大好きになりました。
名前は、ラヴィー! LOVEにYでラヴィーです(笑)
家族で相談して付けました。

楽しかった思い出は何ですか?

家の前が河原だったんですけど、走り回っていたのを思い出しますね!
親に言えない悩みを散歩中にラヴィーに聞いてもらったりして。
傍からみたら独り言ですよね。
恋の話とか。
ラヴィーは「何言ってんの?」っていう顔をしていましたけど(笑)
聞いてもらうだけですっきりするじゃないですか!
恥ずかしくて人に言えないことを言ってましたね。

ペットというより人間の友達みたいな感じですね。

本当にそうですね(笑)
3年前まで生きてくれました。14才でした。
当時は横浜で仕事もしていたので、残念ながら見送ることは出来ませんでしたが、ラヴィーのことは今でもよく思い出します。



獣医になろうと思ったのはラヴィーがきっかけですね。

そうですね。
近所の動物病院の先生がうちの親の同級生だったんです。
なので良く出入りさせてもらっていました。
ラヴィーが入院して、研修医の先生が泊まり込みで看病してくれたのを見て「かっこいいなぁ」って思っていました。
元々医療と動物に興味がありましたから自然にこの道に進んだ気がします。

 横浜で勤務医として仕事をしていた時と、開業された今では診察のスタイルは変わりましたか?

根本は変わりません。
心掛けていることは「動物の出しているサインをしっかりくみ取ること」
と「動物の一番傍にいる飼い主さんとじっくり話をする」ということです。
動物は本能的に、痛みや弱点を隠そうとします。そこを見逃さないようにしないといけません。
また、普段の様子を見ていらっしゃる飼い主さんだからこそ分かることが沢山あるのでお話しすることが大事なんです。

なるほど!

自分がどう思われるとか変なプライドは持たないようにしています。
なるべく時間を多く持って、心配事、不安を言ってもらうようにしています。
それを言わないことで、動物の治りが遅くなったり、何より病気自体に気がつかなかったりもしますので。

飼い主さんとのコミュニケーションを大切にされているんですね!

そうですね。
気になることがあったり、状態が心配だったりすると後で電話して、家にいるその子の状況を聞いたりしています。
動物自身は症状を言わないので、飼い主さんとのコミュニケーションを密にとる必要があると考えています。

今まで色んな飼い主さんを診てきたと思いますが、思い出深い方はいらっしゃいますか?

脳の遺伝病の猫を飼われていた方がいて。
その子はご飯も食べれなくて、もう立てなくなっていて意識が朦朧とした状態で寝たきりのまま半年入院していたんです。
半年も一緒にいたので、ある意味その子を一緒に飼っていたような感じでした。
その飼い主さんとも繋がりが深くなって、とても思い出深いですね。

半年は長いですね。

そうですね。
その子の病気をきっかけに、今鹿児島大学の先生と一緒にその遺伝病の研究をしています。
その子の兄弟も同じ病気になったんですが、その兄弟の中で一匹だけ正常な子がいたんです。
その正常な子の遺伝子を調べて、原因となる遺伝子が分かったんです!
世界で初なんです!
そういった意味でも心に残っています。

それじゃ、今では遺伝病も治せちゃうんですか?

現時点ではまだ治療法は見つかっていません。
でも今後、細胞医療や再生医療が発達すれば、治せるようになるかもしれません。その手伝いが出来ればと思っています。
もう少し先の話ですね。

うちは昔から猫かっていますが猫は腎臓の病気が多いですよね?

腎臓病は非常に多いですね。
今、東大の先生が研究していて、原因になるタンパク質を大体は特定出来ています。
猫は遺伝的にそのタンパク質がおかしくて。
腎臓に負担をあたえているということが分かりました。
まだ取り除く治療方法はわからないのですが、その原因がわかったので、もしかしたら20年後の猫はより長生き出来るようになるかもしれませんね!



凄い!!・・けど20年後は僕がこの世にいるかどうか(笑)
市販の食べ物も沢山ありすぎて、、飼い主からしたらどれがよいかわからないですね?

そうですね。
私はペットフードアドバイザーの資格を持っています。
ご飯を手作りしている方には、栄養素のアドバイスもしています。
タンパク質はこれくらい、脂質はこれくらいが良いですといった感じです。
身体の状態によって必要な栄養素が違いますから。
例えば、腫瘍に罹っている子だったら炭水化物はあまりあげない方がいいんです。
腫瘍の細胞が先に炭水化物を使っちゃうので。
だから食べても食べてもどんどん痩せちゃうんです。
それを知らずに、まだ足りないかと思ってもっとカロリーの高い物をあげてしまう。するとどんどん腫瘍が育ってしまう。。。
腫瘍が使いにくい脂肪分や、良質のタンパク質をメインであげてもらう指導をします。

僕はパッケージで選んじゃう時が多いのですが(汗)

中に含まれるものは見たほうがいいです!
分からなければかかりつけの先生に聞いてもらった方がよいです。
全ての動物は食べているものから出来ていますから!
飼い主さんにはその子に何を食べさせているかを毎回聞いて、アドバイスするようにしています。

地域の子供達に病院を見学させていると聞いたのですが。

はい! やっています。
近くの幼稚園で飼っている動物を診たのがきっかけで、「動物のお医者さん体験実習」を始めました。
病院の中をまわったり、クイズを出したり、聴診器で心臓の音を聞いてもらったりしています。
子供達も本当に楽しそうに聞いてくれます。

何人ぐらいてやるのですか?

1度に30人ぐらい来ますので、2グループに分けて病院内を巡ります。

動物病院が身近に感じてもらえる素晴らしい機会ですね!

そうですね。
体験に来てくれた園児が獣医師になったり、なんらかの形で動物に関わってもらえたりしたら嬉しいですね!

幼稚園にはどんな動物がいるんですか?

ガチョウ、猫、亀。フラミンゴなどです。

沢山の学校から飼育動物がいなくなっている中、素晴らしい幼稚園ですね。
それよりフラミンゴって飼えるんですね?

飼えるようですね。
私もはじめは驚きました。
動物を身近に感じてもらえるのは子どもたちにとって良いことですよね。

飼い主さんに向けて何か一言ありますか?

飼うと決めたからには「責任を持つ」ということですね。
その子の毎日の食事だったり病気のことだったり、飼い主さんにも一歩踏み込んで知ってもらいたいです。
動物病院は病気を治療するだけでなく、飼い主さんに正しい知識や考え方をアドバイスする大事な役割があると思っています。
病院は病気を治療するのは当たり前!
でもその期待に応える以上のものを与えられないといけない。
そのことをいつも考えています。


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2018月03月病院の情報

病院名 武井動物病院
院長名 田中 啓之院長
住所 〒186-0004  東京都国立市中3-2-18
最寄り駅 JR国立駅、JR谷保駅、JR矢川駅から各徒歩15分。 ◎立川バス「五商入口」より徒歩1分 ◎立川バス「桐朋」より徒歩5分
電話番号 042-576-9100
診療時間 診療時間  午前9:00~12:00 午後15:00~19:00 最終受付は30分前
休診日 年中無休 土日祝日も診療
診療対象動物 犬、猫、ウサギ、フェレット、ハムスター、小鳥、その他小動物
その他 駐車場6台完備、駐輪場あり
ホームページ http://www.takei-amc.com/
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