ベル動物病院 鈴木 基宏院長にインタビュー
目の前の動物をしっかりと観察することです!
先生はどんな動物が好きなんですか?
子供の頃から牛を見るのが好きでしたね(笑)
牛ですか?
どんな縁で牛を好きになったんですか?
父親が転勤族だったので、仙台に5年程いた時があったんです。
今はないですけど郊外に牧場があったんです。
そうなんですか。
「育成牧場」と言われる子供を産む前の牛を集めているような牧場で、家からちょっと離れていたところにありました。
学校までは母親が車で送り迎えしてくれていて、その途中に牧場があったんです。
それは気になりますね(笑)
時々母親に頼んで「牛を見に行きた~い」て帰りに寄り道してもらっていました。
ただ牛を見ているだけなんですけど。
今この歳になってもあの頃のことは時々思い出しますね。
意味もなく見ていましたね(笑)
犬や猫は飼っていなかったんですか?
親が動物を飼っていいとは言わなかったんで、子供の頃、犬猫を飼った経験がないんです。
飼ったのは大人になってからです。
飼えないからとにかく見るだけでもって思っていたんでしょうね!
そうですね(笑)
なので動物園に行くのも大好きでした。
夏休みは10日間ぐらい行ってましたから。
特にお気に入りの動物は何でしたか?
オラウータンが大好きでしたね!
1時間ぐらいズーーと見ていましたから(笑)
オラウータンですか?
病院のロゴはカンガルーですけど(笑)
カンガルーも好きなんです。
唯一の海外旅行が新婚旅行で行ったオーストラリアだったんで、そこでカンガルーと出会って(笑)
ロゴは兄の知り合いにデザイナーさんにカンガルーの写真集渡して作ってもらったものです。
出来上がったものを見てすぐに気にいりましたね!
一番のお気に入りはどの部分ですか?
カンガルーと言えば普通、お腹の袋に子供が入っていますよね?
それじゃないところがいいなぁって(笑)
獣医を目指したのはいつぐらいですか?
小学校5年生ぐらいですね。
動物園に興味があったので初めは飼育員になりたかったんですが、その一方で医療にも興味があって。
それと動物も好きだったので「じゃあ、獣医か!」という感じでしたね。
動物園の獣医さんですか?
そうですね(笑)
動物園の獣医さんになりたい!って思っていました。
でも大学に入るとすぐ獣医の仕事がどんなものか分かったんです。
どんなものだと気がついたんですか?
動物の病気を治すだけが獣医の仕事ではなくて、公務員とか製薬会社とか、いろんな仕事があるということが分かりました。
その中で動物園の獣医はとても難しくて。
職員も毎年採用しているわけでもないんです。
なるほど。
例えば、上野動物園の獣医になりたい!ってなると、当時は東京都の公務員にならなきゃいけなかったんです。
それでも動物園に行けるわけではないんです。
公務員の仕事はいろいろありますからね。
家畜市場で食肉検査する仕事や保健所での仕事とか希望通りいけなかったんです。
なので、大動物だなぁ!って。
働いてみてどんな感じでした?
学生の頃から実習はしていたのでギャップはありませんでしたね。
半年ぐらい先輩について助手をしていました。
仕事が面白かったことの思い出はありますか?
半年すぎた頃から一人で診察していましたが、この頃からですかね。
感覚が分かってきて面白くなってきたのは(笑)
どんな感覚ですか?
牛は比較的安産なんですがたまに難産になる子もいるんです。
足だけ出てる状態で「引っ張ればいいかなぁ」とか、「もうちょっと出ないと駄目だなぁ」とか分かってくるんです。
以前は経済動物、今は犬猫の診察。
大きさの違いは勿論ありますがその他の違いはありますか?
違いは「治療に限界」があるということです。
経済動物の牛、馬は採算がありますから、どこかで見切りをつけなきゃいけませんが、犬猫はそれとは真逆ですね。
家畜に携わっている獣医さんは、究極でいくと、動物の為というより農家の為に仕事をしているのだと思います。
農家の暮らしを安定させる為というのが第一になるんです。
診察する上で心掛けていることは何ですか?
当たり前のことですが目の前の動物をしっかり観察することです。
飼い主さんが仰ること全て鵜呑みにしないということですね。
例えばどういうことですか?
例えば、「食べなくなったのはいつからですか?」の質問に、「3日前からかなぁ・・」と言われても状態から診ると、とてもそんなふうには見えなかったりすることがあります。
なのでそれを踏まえて治療するなり見通しをつけなきゃいけません。
今までで診た子で一番思い出深い子はいますか?
開業して2,3年の時に診た雌のゴールデンレトリーバーの子ですね。
腫瘍が出来ておしっこが出なくなっていました。
自分の手には負えないと思って大学病院で診てもらったんですが、その腫瘍が手術でも取り除ける場所ではなかったので、苦しくない方法でやっていくことになりました。
それからどうされたんですか?
おしっこを出すためのシリコンの管を入れたのですが、飼い主さんの家に戻ったらその管が外れちゃったんです。
知り合いの獣医の先生に応援に来てもらったんですが、その処置をしながら、今自分が向き合っているこの症例は今までで一番苦労しているんだなぁと実感しました。
今後もこんな大変な子はこないだろうなぁって思っていましたね。
獣医に向いている人はどんな人だと思いますか?
良く診るということ!注意深い人ですね。
いろんなことに興味を持つこと「なんだろう」って思います。
例えば、食欲がない、元気がない、動きが悪い。
飼い主さんからいろんな情報をもらって、「まぁ大したことないな~」って思うことより、「何か気になる!」って引っかかる!と思える人だと思います。
その「何」があって検査をしていけば解決出来るかもしれませんからね。
尊敬する人は学生時代の研究室の先生ということですが?
そうですね。
その先生の「学生を包み込む」というところが尊敬出来るところですね(笑)
当時ある先生に、「君は臨床家には向いていないねぇ~」って言われて悩んでいた時に、その先生に相談しに行きました。
そしたら先生が、「向き不向きは相手が決めるものじゃない!
自分がやりたいと思ったことが向いているっていうことなんだよ!」って言ってくれたんです。
先生の大きい一言に背中を押された感じですね(笑)
その通りです(笑)
じゃ、やりたいことはと考えたら牛の臨床だって!
本当にトンと背中を押してくれた感じですね。
獣医になって良かったことはなんですか?
何といっても多くの動物と接することが出来たことです。
それが夢でしたから一番の幸せですね(笑)
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2015月07月病院の情報
病院名 | ベル動物病院 |
院長名 | 鈴木 基宏院長 |
住所 | 〒230-0011 横浜市鶴見区上末吉5-19-2 |
最寄り駅 | 京浜東北線鶴見駅 バス15分 |
電話番号 | 045-580-2211 |
診療時間 | 平日 9:00~12:00 14:30~18:00 日曜 9:00~12:00 |
休診日 | 水曜、日曜午後、祭日 |
診療対象動物 | 犬・猫・ウサギ・ハムスター |
ホームページ | http://www.ne.jp/asahi/bell/yokohama/ |