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古谷動物病院 古谷隆俊院長にインタビュー

6年間宮崎のサファリパークで野生動物の世話をしていました!

 

入口の「芝のわんちゃん」にはいきなり癒されました!

ありがとうございます(笑)
あの子はちゃんと服持ってるんですよ。
Tシャツとかクリスマスの服とか。

 

古谷動物病院 古谷隆俊院長

 

飼い主さんは和みますね!

親近感が持てて安心出来る雰囲気作りを心掛けています。
病院に来る人には安心感を与えなきゃいけないと思っていますから。
それは声のトーンだったり治療の説明もそうだし、
不安じゃないですか飼い主さんは!

 

不安でいっぱいですからね。
そうなんです。
飼い主さんはすごくナーバスになっていますし、
まずは安堵感を与えるようにと、それは若い先生達にも伝えています。

 

獣医さんになったきっかけは何ですか?
小さい時から家の中では遊ばない子で今もですが、
家でじっとしているのが嫌いだったんですよ。
なので仕事もデスクワークよりフィールドで働くということが、
あっているのかなと思っていました。
元々は野生動物の保護官になりたいと思っていました。

 

野生動物の保護官ですか?
当時「野生のエルザ」という映画があって、
ケニアの野生動物の保護官だったジョージ・アダムソンと、
奥さんのジョイ・アダムソンのお話しです。

 

どんな物語なんですか?
母ライオンが殺された子ライオンを夫婦2人で育てて野生に返すという映画です。
子供の時に見て、衝撃を受けましたね(笑)
「こんな仕事あるんだなぁ いい仕事だなぁ」って。

 

 

 古谷動物病院 古谷隆俊院長

その映画で獣医になろうと思ったのですか?
その時は「獣医になりたい」というよりは、
動物の「保護官になりたい」と思っていました。
それからどうしたら保護官になれるかといろいろ調べたのですが、
国連に登録して派遣されるという感じなので、
ケニアやタンザニアの保護官になるにはかなり難しかったんです。

 

そうなんですか。
それじゃ、動物関連の仕事で何がいいのかと探したら、
あの頃は畜産か獣医しかなくて、それで獣医がいいなと思って行くことに決めました。

 

それを聞いたご家族の反応はいかがでした?
学校の先生に獣医学部を受けようと思ってます!って言ったら、
先に母親に言われたんですよね(笑)
母親にはそれを伝えていなかったので家に帰ったら、
「学校で何か変なこと言った?」とか言われて。
息子さんが変なことを言っていますよ!と先生が言われてたんですね(笑)

 

学校の先生も「まさか!」って感じだったんですかね。
私は結構数学が好きだったので先生にしてみたら、
理系の大学に行くのだろうと思っていたみたいで。

それなのに獣医の大学なんて言うし、またその学校は新設校で、
私も3期生でしたが獣医の学校に行った前例がなかったんです。

 

先生が初ですか!
だから、どういうレベルで入れるかもわからないですし、
先生もびっくりしたんでしょうね。
畜産の盛んなところは獣医さんを近くで見ていますので、
牧場の息子とかは行くでしょうけどまたその頃は、
東京で獣医の学校にいく人は少なかったかもしれません。

 

勢いがありますね、先生!
今振り返ると私は「映画」と「飼っていたわんちゃん」を見て進んできたんでしょうね(笑)

 

 古谷動物病院 古谷隆俊院長

 

学校を卒業してからはどうされたんですか?
縁あって動物園に入りまして、6年間宮崎のサファリパークで
野生動物の世話をしていました。
入ってすぐには獣医の仕事はさせてもらえなかったので、
2、3年は飼育係として働いていました。
食事作り、糞の掃除などして、チンパンジー、ライオン、トラを育てたり。
チンパンジーにはテーブルマナーを教えていました。

 

チンパンジーにテーブルマナーをですか?
その子はショーに出る子だったので、リンゴとかバナナを切ってあげて、
ちゃんとフォークで食べることを教えていましたね。
その子はまだ小さい子供で、病気にならないように夜は私が家に連れて帰っていました。

 

もう人間の子供ですね(笑)
そうですね。
そして朝は一緒に車に乗って動物園にいくんです。
5、6歳の人間の子供と同じぐらいの知能を持っているんでしょうね。
「食べ終わった食器は、自分で持っていきなさい!」って言うと、
ちゃんと流しに持っていきましたよ(笑)

 

食器を持っていくなんて言葉分かっているんですね!!
獣医の仕事はしていたんですか?
時々は手術の手伝いはしていました。
所属は獣医室で、そこから出向して研修をやっていました。
肉食動物、草食動物、子供動物園とか全般の仕事をしなければいけなかったです。
最終的には子供動物園の担当になったので、サマースクールをやったり
子供達に教えたりしていましたね。

 

 古谷動物病院 古谷隆俊院長

 

初めての患者さんは覚えてますか?
覚えていますよ。
皮膚病の柴犬でしたね。
慢性化した皮膚病で、ゾウのように皮膚がぶ厚くなって治るまで1年ぐらいかかりました。
最後は綺麗になってくれて、その方が次の患者さんを紹介してくれたり。
宣伝とかしてなかったですから。
口コミなんですよね。

開業した時は、患者さんが1日1人とかでしたから、
信頼関係を作るために1人に30分くらいかけてじっくりやっていました。
動物を診るのに3割、飼い主さんとお話しするのが7割でしたね。

 

古谷先生が尊敬している方はいらっしゃいますか?
動物園にいた時の獣医長ですね。
獣医師って最初に教育を受けた人の影響を受けちゃうんですよ。
サファリパークにいた獣医長はドイツで学位をとられた方で、
人間的にも、とても尊敬出来る先生でした。

その先生の元で働いたから、今の自分の雰囲気があるのかなと思っています。
一緒に会議に出ていた時もそうでしたし、凛々しい方、動物に対してもとても優しい。

私がどこ行っても「そちらにはあの獣医長さんいますよね?」って言われるぐらいなんです(笑)
自分はまだまだ追いついてないですけど。
今は引退されて動物をつれて擁護施設に行かれたりとか、動物相談室でラジオに出られたりしています。

他にはまだいらっしゃいますか?
そしてもうお一人!
開業の勉強をさせてもらった先輩がいらっしゃいます。
獣医長と同じぐらい素晴らしい先生で技術的なこと、
飼い主さんとの対話の大切さなどは、その先輩から教わりました。

 

 古谷動物病院 古谷隆俊院長

 

品川区の学校にもいかれていますね?
教育委員会との共同事業なので協定があって年度末、
各学校に「うちの学校に来てふれあい授業をやって欲しい」などの希望調査を取るんです。
こういうことをやらないと学校から動物が消えていきますから。

 

協力的な教育委員会ですね!
品川獣医師会と品川教育委員会は仲がいいんですよ(笑)
作文コンクールやったりとか教育員会がこんなに動いてくれるところはないですね。
仕切ってくれています。

実際どんなことをするのですか?
飼っている動物を題材にお話しして、
最後に体に聴診器を当てて心臓の音を聞かせたりしています。

半分は学校の先生を対象にお話しているようなものなんですよ!
先生も「あぁ~そうなんですね、知らなかった」って感じです。

それに学校には犬もいたっていいんじゃないのかなぁ~て思いますね。
ウサギとチャボしかいないですから。

 

古谷先生が校長先生だったら面白いでしょうね(笑)
僕が校長だったら校長室に犬でもチンパンジーでも連れていくのになぁ(笑)
動物達は校長室にいてもらって、生徒が触わりに来てくれて夜は家に連れて帰ってとかね。
子供達の意識が変わっていくでしょうね!

 

そんな学校があれな素敵ですね(笑)
子供達の目がキラキラしてそうです!

そうですよね。
でも今、本当に学校から動物が消えかかっています。
夏休みや土日休みもあるし。
その間はご飯を山盛りにあげてそれが腐って、
その腐っちゃったものを食べて死んじゃったりします。
用務員さんとか担当先生が来て世話をしていますが、
僕は親御さんに手伝ってもらって下さい!と言っています。

 

 古谷動物病院 古谷隆俊院長

 

子供と一緒に世話をするのが一番良いですよね。
そうなんです。
親御さんと子供に来てやってもらえば、親子間で絆も出来るし会話にもなります。
興味ない親御さんも動物に興味を持ってくれるかもしれない。

それに100%学校の先生に頼らなくてもいいように、地域でバックアップするとか。
そこまでやらないと学校から動物が消えていくと思います。
教材でもあるけど何よりそれは「生き物」でもあります。

 

動物がきっかけで家族の会話は増えますからね。
そうなんです!
でもただ飼うではなく、飼うならちゃんと飼ってもらいたいです。
一貫校になると新しく増改築する、それを機に動物を飼うことがなくされちゃうんです。
移動動物園もあるけれど、すぐには懐いて寄って来てはくれないです。

その場所で飼って動物に安心感を与えて、そして動物が慣れて自分に寄ってくる!
それが快感じゃないんですかね(笑)

その快感をみんなに味わってもらいたいですね!
最後に、これから飼おうとしている人へメッセージをお願いします。
一生面倒みるということですね。
一生の付き合いになることを忘れないでいることです。
その子が天命を全うする間、動物も飼い主さんも楽しくなきゃいけないと思います(笑)

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2015月07月病院の情報

病院名 古谷動物病院
院長名 古谷 隆俊院長
住所 東京都品川区旗の台4-4-19
最寄り駅 ■東急大井町線 荏原町駅  徒歩3分  ■東急大井町線 池上線 旗の台駅  徒歩5分
電話番号 03-3788-4688
診療時間 (月~金 )9:00~12:00 15:00~19:00 (土) 9:00~12:00 15:00~18:00 (日・祝) 11:00~13:00 ※予約診療のみ
診療対象動物 犬 猫
その他 駐車場あり
ホームページ http://www.furuya-ac.co.jp/