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橋本どうぶつ病院 橋本 隆志院長にインタビュー

治療に参加してもらうようにしています!

 

この病院は表から中が見えるガラス張りなんですね。

隠してやるものじゃないので、初めからオープンでやっています。
病院に初めて来た人は何やっているのか不安な部分があると思いますから。

 

橋本どうぶつ病院 橋本隆志院長 1

 

ただでさえ不安でいっぱいですからね。

そうなんですよ。
それに動物病院って「何やってるんだろう?」と見えない部分が多い上に「とりあえず行ってみよう」と行ける場所ではないんですよ。
なのでオープンにしています(笑)

 

先生は昔から獣医になろうと思ってなったんですか?

元々私はコンピューターが好きで、いつもプログラミングなどをしていました(笑)
それと物理学も好きでしたね。
物事を突き詰めることが好きでしたから、のめり込んでいました。

 

全然路線が違いますね。

でもそんな中、妹の友達からポインターをもらい受けて飼うことになったんです。
当たり前ですが、コンピューターや物理学にはない動物の「思い通りにいかない」という面白さを感じました。
今思えば衛生上問題があると思いますが、一緒に犬小屋で寝たりするぐらい大好きでしたね(笑)

 

相当大好きでしたね、その子のこと(笑)!

ある日その子が病気になったので動物病院に行ったんです。
すごく不安でいっぱいな状態で連れて行ったのですが、その時診てくれた先生がスパっと治してくれたんですよ(笑)

 

スパッと!

本当スパっとでしたね。
それを見た時に「すごいなぁ~すごいなぁ~」って!
その時に「獣医になろう!」と思いましたね(笑)
それがきっかけですね。

 

すごい先生だったんですね。
その子が獣医になるきっかけを作ってくれたんですね!
犬猫を飼う前に考えなきゃいけないことはありますか?

命ですから、物ではありません。
飼うという責任は「亡くなるまで」なんです。

 

そうですね。

犬や猫を飼うということは極論になりますが、「どうやって死にいくか」まで考えて飼うことだと思います。

 

なるほど。

飼い始める時はそういう意識はないと思うのですが、その子は若い時の良い時もあれば病気になって苦しい時、介護することもあるでしょうし、そういうこと全部含めて飼うということなんです。

 

「良いことばかり考えるのではなく」ですよね。
こちらには遠方の飼い主さんも通われているということですが。

本当にありがたいことです(笑)
実は開業してから経営が安定するまでの3年間はとても苦しかったんです。
一日中、誰とも話さない時もありましたから。。。

 

一日中ですか。

ありましたよ(笑)
それでも広告は一切出しませんでしたね。

 

それはどうしてですか?

今、お陰様で口コミの紹介が多くあるのは、飼い主さんとのコミュニケーションを大事にしているのが理由だと思います。
私も自分の子供を連れていく時はそうですが、動物病院って「近くにあるから行こうか」ということではなく、基準はその先生を信頼しているから行くわけなんです。

 

とても良く分かります!
先生は診察で心掛けていることはありますか?

飼い主さんによっていろいろ「変えている」ということですね。

 

変えているのは診察をですか?

そうです。
必要なことはもちろんやりますが、基本あまり検査などはしません。
検査をすればするほど病院は儲かりますが、それは飼い主さんの負担になります。
検査して結果がなんでもないと、「じゃあ、なんでしたの?」になったり、逆に結果が「何もなくて良かった!」になったりと、同じことやっていても人によって満足度は全然違いますから。

 

確かに!
そうですね。

だから、話さないとわからなくて 、こういうことじゃなきゃ駄目ですよ!ではなくこういう方法もある、それにこういう方法もある、とメリット、デメリットを選んでもらって治療に「参加」してもらうようにしています。

 

「参加」はいいですね!

医療はまだまだ分からないことがたくさんあるので、やってみないとわからない部分も多くあります。
だからまずこの病気が「治る病気」なのか、「治らない病気」なのかを理解しなければいけないんです。

 

それからですね。

何かをやれば万全ということではないんです。
万全にしようとすれば病院としてもあれもこれもやればいいんです。
ただ飼い主さんの負担になりますので私は敢えてしません。
基本話したり聞いたりします(笑)

 

橋本どうぶつ病院 橋本隆志院長 2

 

 

一方通行ではなく!ですよね。

そうです!
なので飼い主さんにもたくさん発信してもらえたら嬉しいですね。
人によって考え方が違うのでやり方を変えなければいけません。
それが日々心掛けているところです。

 

そうですね。
飼い主さんはどこまで検査したらいいか分かりませんからね!

そうなんです。
実際、検査疲れしている方もいらっしゃいます。
あれもやらなきゃ!これもやらなきゃいけない!と言われるままにやっているんです。
私は場合によっては検査をしないようにします。

 

逆にちょっと不安になっちゃったりしますよね?

そうですね。
でもなるべくご家族と一緒にいることを長くしましょう!とお話しします。

 

飼い主さんも変わりますね。

明るくなってきますよ(笑)
その飼い主さんは、命を助ける為に一生懸命頑張っている方なので、精神状態もギリギリですけど、そのうち顔付も変わってくるんです。

 

一緒にいれることが一番ですからね。

価値のある時間をどう作り出すかだと思います。
なのでうちはどちらかというと「検査しなくてもいいんじゃない!」という病院ですね(笑)

 

そんな先生を支えているスタッフさんはどんな方々ですか?

私を支えてくれている看護士さんは5名います。
とても難しい立場にいると思うんですよね、看護士さんって!

 

難しい立場とは?

不安でいっぱいの飼い主さんがいたり、病気が治りはじめて笑顔の飼い主さんがいたり、様々な状況に一人一人の対応は勿論、言葉の表現だけではなく「表情」や「気配り」が必要になります。
そこを上手にやってもらっているので非常に助かっています(笑)

 

たくさんあると思いますが、
獣医になって良かったことを教えてください!

日々の小さい嬉しさの積み重ねですね(笑)
飼い主さんは病院が最終的に病気を治していると思われていますが、実際病気を治しているのは動物で、私はあくまで「手助け」をしているだけなんです。

 

素敵なお考えですね!

ある意味、私なんか「無力」だと思います。
傍から見ると、治しているように見えますが些細なことしか出来てなくて、なんて無力なんだと思うことがあります。

 

そうなんですね。

そんな中で、もうダメだと思っていた子が元気になってくれると嬉しくなりますよね(笑)
そんな嬉しさの積み重ねですよ!

 

最近で嬉しかったことはありますか?

医療を超えた奇跡を感じたことがありました。

 

橋本どうぶつ病院 橋本隆志院長 3

 

 

奇跡とかすごく興味があります! 何ですか?

保健所に収容されていたわんちゃんを診察したんです。
その子は何らかの治療が原因だと思いますが保健所を出た途端ショック状態になって脳の障害まで出てしまったんです。
立つこともままならない絶望的な状況で治る見込みはないと思っていました。

 

家族は見つからなかったんですか?

そのわんちゃんは、新しい飼い主さんも既に見つかっていて、もうすぐ幸せな暮らしが目の前にきている状況だったのに、何時亡くなってもおかしくない。
そんな厳しい状態でしたね。

 

そうだったんですか。

その歩くことも出来なかった子が一週間後、飼い主さんと一緒に来た時に、立っていたんです!
本当に驚きました(笑)

 

その間、何があったんですかね??

もちろんその間に治療はしていましたが、確実に回復に向かっていたんです。
その時医療では説明出来ない奇跡を感じましたね。

犬の「生きよう」という力とそれを必死に支える飼い主さんの「愛情」が生んだ奇跡なんだなぁと思いましたよ!
それが最近で最も嬉しいことでしたね(笑)

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2015月07月病院の情報

病院名 橋本どうぶつ病院
院長名 橋本 隆志院長
住所 〒157-0066 東京都世田谷区成城1丁目20-6
最寄り駅 小田急線 成城学園前駅徒歩7分
電話番号 03-3415-1127
診療時間 (月・火・水・金・土・日)9:00~12:00 16:00~19:00 時間外診療 相談可
休診日 木曜日・祝日
診療対象動物 犬・猫・ウサギ・ハムスター・モルモット・フェレット・リス・モモンガ・鳥類
その他 往診あり ペットホテル、トリミング 駐車場あり