すが犬猫病院 須賀 康晴院長にインタビュー
どう処置するかよりも、飼い主さんがどうしたいかです!
先生は小さい時どんなお子さんでした?
江戸川区の葛西に住んでいたのですが、そこは野良猫が本当に多くて。
登下校の時に、ごみの集積所に仔猫がいて、まるでテレビドラマのように段ボールに「誰か拾ってください!」と貼り紙がしてあるなんてしょっちゅうありましたから。
時代なんですかね。
見つけた猫を一時的に学校に連れていって、その子を家に連れて帰ったりしていました。
「ミャァミャァ」鳴いているの見て可哀相だなぁって小学生ながら思ってました。
そうですね。見過ごせないですよね。
見つける度に連れて帰っては、母の職場で新しい飼い主さんを探してもらっていましたが、いつも母は「飼い主さん見つかったよ~」と言ってくれました。
そうですか。
拾ってきては、母に探して貰っていましたがそれでも、「もう連れてきてはダメ!」とは言われなかったんです。
それがきっかけで動物に接する考え方が出来たような気がしますね。
きっとそうですよね。
お母様の影響が大きいんでしょうね。
それと、小学校低学年の時に決定的な出来事があったんです。
その時も仔猫を拾っちゃって・・・
小さい箱に入れていたら、オシッコをしてしまって汚れちゃったんで体を水で洗ってあげたんです。
はい。
そしたら急にグダっとなってしまって。
慌てて、担任の先生に「病院に連れていきたい!」と言ったら、「須賀君! 動物病院は行っただけで5千円も取られちゃうところだよ」って。その時の私には5千円はとても大きい金額でしたが、必死に頼み込んで江戸川区の病院に連れていきました。
必死さが伝わったんですね!
でも病院についた時には、亡くなっていて。
獣医の先生は、仔猫はまだ体温調整が出来ないから、シャンプーはしていけなかったことなど丁寧に教えてくれました。
そうですか。
それから「診察代はいくらですか?」と聞いた時に先生は、後ろを振り向いてこう言ってくれたんです。
その時のことは今でも鮮明に覚えています。
「いらないよ!」と一言、そう言ってくれたんです。
かっこいいですね!その先生。
獣医さんってカッコいい!!あんな風になりたい!!とその時、強烈に思いました。
この時の出来事が獣医さんを目指す一番最初のきっかけでしたね。
実は私が最初に就職したところは、そのカッコいい獣医さんのいる動物病院なんです(笑)
とても強烈なご縁をその子にもらったんですね(笑)
先生は、診察で心掛けていることはありますか?
わんちゃん、ねこちゃんとは話せないので、飼い主さんの話をじっくり聞いています。
わんちゃん、ねこちゃんを診ている時間より、飼い主さんと話している時間が圧倒的に多いです。
飼い主さんからの情報が一番有力ですから。
考えられることを差し引いて無駄なく検査しようとは心掛けています。
会話は一番楽しいことですか?
それは楽しくもあり、辛くもありますね!
やっぱり伝わらないことがあるので、私は一生懸命やるしかないと思っています。
そうですね。
わんちゃん、ねこちゃんは具合が悪い状態で来るので、飼い主さんは頭がカァ~となっています。
説明する仕事が半分でそれを徹底的する!
飼い主さんには「どうするか?」ではなく「どうしたいですか?」と聞いています。
飼い主さんに決めてもらうのですか?
そうです。どうしたらいい?じゃなく飼い主さんがどうしたいか?です。
一番は治して欲しい!これはもちろんです。
年齢的なものなどでどうしても治してあげられないものは「治らない」から始まります。
家で看取りたいのか、辛くて死ぬのを見たくないから病院に入院させておきたいのか
一日でも長く生かせたいのか、気持ち悪いところをとってあげたいのか?の選択肢を与えてあげます。
「治療をどうしたいか」より大まかに「この子をどうしたいか」をですね。
なるほど。
この仕事をやっていて思うことがあります。
ぼくらは断片的にしか、わんちゃんねこちゃんを診ることが出来ない。
20歳のわんちゃん、ねこちゃんがいたら飼い主さんは20年も見ているんです。
確かにそうですね。
そうなんです。
それを我々獣医は断片的に病気だけを診て「こうしなきゃだめだよ!」
と言う権利は一切ないと思っています。
なので「どうしたいか?」ということを聞いています。
獣医になってよかったと思うエピソードはありますか?
はい!
以前の病院で広島から引越してきたねこちゃんを僕が診察していたんです。
猫のワクチンで連れてきましたので、しっかり説明してワクチンを打って帰したのですが、次の日にアレルギー反応を起こして亡くなったんです。
それはアレルギー反応だったんですか?
そうですね。
間違いなくアレルギー反応によるものでしたので、すぐに飼い主さんのところに謝りに行きました。
そしたら「いいよ、先生ワクチン打つ前に
あれだけ説明してくれたじゃないって!」言ってくれたんです。
飼い主さんも先生を信頼しきっていたからですね!
その一言で救われました。
そんな出来事を経て開業しましたがお客様の第一号になってくれたのは、そのアレルギー反応でねこちゃんを亡くした方なんです。
本当に嬉しいことですね!
本当に辛かったことが良い思い出になったものですが、それは鮮明に覚えています。
不幸な犬猫を生まない為にどうしたらいいか何かお考えはありますか?
普通、動物病院は飼ってから来るんですけど、僕は犬種の相談にのるから飼う前に来て!と言っています。
「お母さんのところ2人で働いているじゃない、だから大型犬はやめたほうがいいよ!」なんて。
飼う前の相談が出来る動物病院はいいですね!
動物病院でそういう話しが出来たほうが病気の観点で話しも出来るので、これから飼おうとしてる方に来てもらいたいですね(笑)
話さないと分からないことはたくさんありますね。
そこは飼い主さんも一緒です。
この飼い主さんはどこまで一生懸命やってくれるのかは、暫く話してみないと分からないですよね。
やはりコミュニケーションを何より大事に思っています。
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犬猫を飼う前に!
保護犬、保護猫を家族に迎えるという選択肢を!
2015月07月病院の情報
病院名 | すが犬猫病院 |
院長名 | 須賀 康晴院長 |
住所 | 〒125-0052 東京都葛飾区柴又6-29-15 |
最寄り駅 | 北総線 新柴又駅 徒歩5分 |
電話番号 | 03-6383-2452 |
診療時間 | (月・火・水・金・土)9:00~12:00 15:00~19:00 (日・祝)9:00~12:00 ※12:00~15:00は手術・往診の時間です。 ※日・祝日は、午前中のみ診察しております。 |
休診日 | 木曜日 |
診療対象動物 | 犬・猫 |
その他 | 駐車場あり 2台 |
ホームページ | http://www.suga-inuneko-clinic.com/ |
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