戸田動物病院 藤井 忠之院長にインタビュー
・飼育相談
・健康チェック
・爪切り
・肛門腺絞り
・検便サービス
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動物を起点に家族がよく話し合うことが大事です!
先生のご出身はどちらですか?
出身は千葉県です。
庭には鶏や兎がいるようなところで孔雀もいましたね(笑)
小学校の時は飼育係で、委員長になったりしていました。
孔雀は珍しいですね。
タニーという名前の犬も飼っていましたよ。
朝、母親が窓を開けると庭から走ってきて、僕の顔をペロペロ舐めて起こしてくれるんです。
目覚まし代わりですね(笑)
そのタニーがある日、数日間脱走しちゃって・・・
帰ってきたら具合が悪くなっていてフラフラだったんですよ。
おかしいなと思って動物病院に行って診てもらったら、伝染病のジステンパーじゃないかって。
今は予防が出来るようになりましたが、昔はインターフェロンとか免疫療法もないし、かかったらもう治らない病気という感じでした。
そうでなんですか。
父親と祖父は、その時はっきり言いませんでしたが、病院行って安楽死を決めたと思うんです。
「病院において来た」って言っていましたから。
それっきり動物は飼っていなかったんです。
もう悲しい思いはしたくないって。
獣医になりたいってその時思ったわけではないのですが、今はタニーが自分の人生を導いてくれたのかなぁと思っています。
いつも一緒だったんですね。
そうですね。
当時は空地と野原がたくさんあったので、そこで棒切れ投げて一緒に遊んでいた感じですよ。
5つ上の兄がいるんですけど、僕が小学生の時はもう兄は高校生なんで遊んでもらえないですから、
いつもタニーと遊んでいました(笑)
タニーは弟みたいな存在でしたね。
学校から帰って来ると一緒にどこか出かけるが楽しみで(笑)
その時は「可愛い」だけで飼っていて予防注射も知らなかったので、今振り返れば可哀相なことをしてしまったなぁと思っています。
そうですか。
タニーが亡くなった時、家族中が暗くなったのを覚えていますから。
その当時小さいながらも動物の存在って凄く大事なんだなぁと感じていました。
今もそれは根底にあります。
その想いで診察されているんですね。
なので、飼い主さんが動物と一日でも一緒に楽しく長く暮らしてもらえるように出来たらいいなぁと常々思っています。
今は動物を飼っていますか?
はい!いますよ。
今いる子は目が片方なくて後ろ脚が片方生まれながら不自由な子なんです。
事情があってある方から引き取りました。
今は、家族中に大事にされて偉そうに威張っちゃっていますけどね(笑)
お互いに幸せですね。
例え体が不自由な状態であっても大切な存在には変わりがないんです。
病気のわんちゃん、ねこちゃんを抱えている方も同じなんだろうなぁと思います。
その子の体が不自由でも存在感は大きいですし、喜ぶことをすると自分も嬉しかったりするんです(笑)
そうですね!家族に変わりはないですからね。
健康な子達に予防注射とかフィラリアとか病気に注意しましょう!と言いますが、一番大変なのは病気で苦しんでいる子を持つ「ご家族」なんです。
そのご家族にどこまで手を差し伸べてあげられるのかが、僕たち獣医の役割だと思うんです。
例えばどんなことをですか?
治療費のこと、精神的なこと、その子とどう向き合っていきたいのかをよく飼い主さんとお話しをして方向性を決めていきます。
そして、納得のいくような形でお互いが最後を迎えられるのがいいんじゃないかと思っています。
そうですね。
髄膜腫という脳腫瘍の子がいるのですが、今から1年ちょっと前の段階で、3か月ぐらいしか生きられないって言われちゃったみたいで。
飼い主さんとしては、そこまで大きい病気とは思わなかったようなんです。
でも・・昨日夜中3時ぐらいに亡くなってしまったのですが、聞いてみたら「やることやったんで、どちらかというと今は何かすっきりしています」って言うんですよ。
前の週もご相談があったり、ちょくちょく僕とは話しはしていましたが、そういうことがあると良かったのかなぁと思いますね。
一日でも一緒にいたいですからね。
そうですよね。
病気になる子はたくさんいたりするわけですが一人一人違う問題を抱えています。
そうですね。
同じ病気であっても、病気の程度、飼育環境も違うし、飼い主さんが抱えてる問題もそれぞれ違うと思うんです。
通院が出来る出来ないとか、経済的な理由で検査もある程度しか出来ないなど当然あります。
なので飼い主さん一人一人と、とことん話し合います。
精一杯治療させてあげたいと思いますよね。
でも無理はしなくていいと思うんですよ。
たくさんお金を払って高額な検査を受けたり薬が合えば頑張れる病気があるかもしれませんが、機械を修理するのではないので、いくらお金をかけても全て良くなるとは限らないんです。
抗がん剤の治療で具合が悪くなる子だって当然いるわけですよ。
勿論、そういう情報はありますが使ってみないと分からない部分もあるんです。
これやるとお腹こわしちゃうとか、少し元気がなくなるとか、それがまた激しく出る子もいるんです。
本当にまちまちですね。
そうなんです。
治療の為に無理してお金を工面して、今度は返すのに大変になったり、お父さん、お母さんに内緒になると家庭不和の原因になることもあります。
そうなると動物が可哀相ですよね。
そうですね。
だから「ご家族全員でよく話し合って下さい」ってお願いします。
無理しないで、出来る限りの範囲でいいんですよって(笑)
家族みんなの考えが必要ですね。
そうです。
要するに、お金があるとかないとかではなく「動物を起点」に家族みんなでよく話し合うことが大事なんです。
先生の診療のスタイルを教えてください!
激安スーパーのようにたくさん来てもらって、たくさん売る!
そういう、安売りのような事は出来ないですよね。
時間に限りもあるしお話ししなければいけないこともたくさんありますから。
たくさん聞くのは大変です。
そうですね。なのでポイントをいくつか投げかけます。
今日覚えて行ってもらいたいことはこれにしよう!
と思ったら意識して繰り返し少しづつ話しますよ(笑)
例えばどんな感じですか?
このスーツにはこのシャツが合うと思いますよ!
でも一度に買い揃えるのはちょっと大変だから。
靴はこれが、ネクタイはこれがとか少しづつですよね。
そのライフスタイルならこれがいいんじゃないでしょうか?!って感じです(笑)
分かり易いです!
その人のライフスタイルに合わせてですね。
そうです!その辺もよくその人と話しをしないとわからない。
でも激安のスーパーだと自分で手に取って自分で決めるでしょ!
安いから気にならないんですね。
今インターネットで薬が売られていたりしますから、その情報を持ってくる飼い主さんも勿論いらっしゃいます。
でもそんなにブレないと思うんですよ、動物病院の先生の言うことは(笑)
掛かり付けの先生が居たら問題ありませんね!
そうなんです。
なので、「信頼出来る先生」を早く見つけてもらって、よく話し合って長く付き合ってもらいたいです。
例えばフローリングで犬を飼っていると足を悪くしやすいんです。
大人しい犬もいれば、カチャカチャしている犬もいるので、犬種によっては気を付けなければいけません。
ネットより目の前の先生ですね!!
自分じゃわからないこともたくさんありますので、ネットの知識だけで頭でっかちになっている飼い主さんとは、やはり根気よく話すしかないんです。
先生は昔から人と話すのが好きだったんですか?
お喋りは好きかもしれませんね(笑)
バイトは建築系が多かったです。あと交通整理とか穴掘り、引っ越しの手伝いとかね。
体を動かすバイトが多いですね。
そうですね。
僕らの時はちょうど大学が6年制に移行する時でした。
当時は学士、修士の2年はカリキュラムはスカスカなんです。
授業自体がないんですよ。
でも研究室も忙しかったのでバイト三昧って訳ではなかったですね。
学生の時スポーツは何をされていたんですか?
高校まではずっと野球で、大学時代はアメリカンフットボールを!
先生の元気の源は何ですか?
毎日が新鮮な感じってことですかね!
朝起きて今日は何があるかなぁ、あの子は今日良くなっているかなぁって(笑)
毎日毎日違うんですよ(笑)
入院している動物もちょっと良いとか悪いとかあります。
どれもこれもその病気のことを知らないと出来ないので、常に新しい情報を得る努力をしなければならない。
寝ても覚めてもですね。
そうですね。常にアンテナを張っていなきゃいけません。
整理出来ていなくても常に頭の片隅に置いておかなければいけません。
その行動が元気の源だと思います!(笑)
分からないこともたくさんありますよね?
もちろん分からないと調べなきゃいけないですし、頼りにしている先生に電話したり写真撮ってメールしたりですね。
スライドグラスを持って、「先生!今日、何時まで大学にいるの?」
「じゃあ、今から行きますから!」なんて感じで。
そこで色々な話を聞くとわかるんです。
「わかった!ありがとう先生!」なんてことやっているんですよ(笑)
飼い主さんの知らない部分ですね。
診察する上で心に留めていることはありますか?
慢心してはいけない!
自惚れてはいけない!
慣れ、心の緩みが診療ミスとかコミュニケーションのミスに繋がります。
あとはもちろん、努力ですね(笑)
一番印象に残っていることはありますか?
それはやっぱり「助けてあげられなかった子」は一番残っていますね。
その病気が分からなかった自分も凄く嫌なんですけど、何年か経って「あの子の病気、これが原因だったのか!」、身をもって教えてくれたんだ!って。
本当に身をもってですね。
飼い主さんに「ありがとうございました!」って言われたり、きついお言葉ももらったりしているんでしょうけど、それはあまり覚えていないんですよ。
今の獣医学でも治せない病気っていっぱいあるんです。
だから目の前の病気としっかり向き合い、飼い主さんと動物達を良い方向へ向かわせて行きたいんです!
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犬猫を飼う前に!
保護犬、保護猫を家族に迎えるという選択肢を!
2015月07月病院の情報
病院名 | 戸田動物病院 |
院長名 | 藤井 忠之院長 |
住所 | 〒335-0034 埼玉県戸田市笹目4丁目19-16 |
最寄り駅 | 埼京線 北戸田駅 徒歩22分 戸田駅 徒歩25分 |
電話番号 | 048-421-8030 |
診療時間 | (月~金) 午前9:00~12:00 午後15:00~19:00 (土) 午前9:00~12:00 午後15:00~18:00 (日・祝) 予約診察のみ |
診療対象動物 | 犬・猫・ウサギ・フェレット・ハムスター・鳥 |
その他 | 駐車場あり |
ホームページ | http://www.toda-ahp.com/ |